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イベント会社でクズ扱いされる話 1ページ目

出会い

義明は45歳で警備員のバイトで働いていた。
今まで数多くの仕事を転々としてきたが
長続きせず今に至る。
給料日にはSMバーに行くのが楽しみの一つだった。

見た目からさえないおじさんと言った感じだが
害はなさそうな雰囲気でもある。
SMバーではいいように遊ばれてお互い楽しく過ごしていた。
そんな義明はたまたまバーに来ていたある女性と知り合う。

女性の名は明かされなかったが
バーでは姫と呼んで、バーのスタッフと同じように
奴隷として扱われておもちゃにされていた。

あるとき姫が首輪をつけて
お店の外を散歩させたいと言い出し
義明は酔っていたのもありOKしてしまった。

「ほらっ、おいでヨッシー」

姫は鎖をジャラジャラと音を鳴らせながら
引っ張った。

「はい、姫様」

そして夜の街で刺激的な時間を過ごさせてもらった。

姫に結構気に入ってもらえた義明
こんなS女性に出会えるだけでも一生に何度あるだろうか?
そして自分を多少なりとも気に入ってくれている。
義明は思い切って告白した。

告白と言っても対等の彼氏彼女ではない
専属の奴隷になりたいという告白だ。

すると姫は特定の奴隷は求めてないと言った。
だがSMバーで出会ったら同じようにいじめてあげるとのこと。

奴隷にすらなれない自分がとても情けなかったが
姫は最近よくこのSMバーに来るので時々会えるよと慰めてくれた。

しかし義明はバイトをしている身分で
月に何度も来るほど金銭的な余裕がなかった。
義明はそれを正直に打ち明けた。

すると思いがけない展開になった。

「じゃあうちの会社で働く?
だったら私にも時々会えるし
もちろん仕事中はSMなんてしないけど

うちの会社は女性ばっかりで
気の強い子ばかりだから
ヨッシーのようなどMなら楽しく働けるかもしれないわ」

義明には天の声に聞こえた。

「ぜ、是非!
お願いします。

で、でも・・・

面接とか、あまり得意じゃないんですが・・・」

すると

「面接?
どういうこと?
合格でいいわよ。

言ってなかったね。
私が一応社長だから
面接なんて合格でいいから」

なんと姫はモデル事務所の社長だった。
どうりで普通のOLっぽい感じはしなかったのも
納得がいった。

義明はすぐにOKし
バイトも速やかに辞めて
姫の会社に勤めることとなった。

女性上位の世界

「じゃあ、これコピー全員分お願いね」

義明は早速下働きから任されることとなった。
総務部で直属の上司は30代後半の女性で洋子という。
見た目は悪い印象ではないが、周りが若い女性ばかりだろうか
余計に年を取っているように感じる。
そうはいっても義明よりもずっと年下だったが
彼女にこき使われる毎日が始まった。

「お客さんが来たからお茶の用意をしてくれる?」

「これ段ボールに入れて郵送お願い」

「●●さんが外出するから、あなた駅まで車で送ってあげて」

一日中雑用ばかりで、徐々に命令すらされなくなり
洋子が目で合図したり、義明の机の上に用事を置いて
義明が動くようになっていった。

まあこれは会社なので仕方がないし
年下でも、女性でも今の時代関係ないのだが
義明は45歳で昭和時代の男性だったので
すこし恥ずかしいと感じることもあった。

洋子は他のスタッフがいても
当然普通に義明に命令しているので
周りの人間も義明を軽く見るようになっていった。

「ヨッシー、あんた前の会社やめてうちの会社に来たらしいけど
そんなにこっちの会社のほうが魅力的だったの?
いつも雑用ばかりさせられてるのに ハハハ」

スタッフは若い女性が多い。
中にはからかってくる女性もいた。

義明は昔から気の弱いところがあったので
「そ、それは・・・なんていうか・・・」
とおどおど話すので
周りの女性からもクスクス笑われるようになっていった。

そんな義明だったが
M男という特性もあって
なんとかこの会社でしもべの様に働いていた。

そして徐々にこの会社の人間関係が分かるようになってきた。

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