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イベント会社でクズ扱いされる話 8ページ目

許されない失敗

(!!!!)

義明は体が熱くなってきた。
予定の時間よりかなり時間がかかっている。

残りキロ数を見るとかなり急がないと間に合いそうもない。

急がないと・・・
でも事故でもしたら大変だ・・・

義明はばれないくらいに急いで車を走らせ
何とかぎりぎりと言った時間で会場に着いた。

「すいません麻美さん
ちょっと時間がぎりぎりそうなので
急ぎで会場までお願いします」

そう言いながら
麻美の大きなカバンの荷物を持つ
すると
「はあ?あんたがぐずぐずしてるからじゃないの?
これも持ちなさいよ」
そう言って
明らかにプライベートな荷物が入ってそうな
黒いレザーバッグを義明に渡した。

義明は二つの重い荷物を持ちながら
速足で歩く。
麻美もイラつきながら速足で歩く。
会場の入り口までがすごく遠く感じた。

そして会場に入って
義明は腰を抜かしそうになった。

そこで開催されていたイベントは
工作機械の展示会のようなイベントだった。
明らかに麻美の参加するイベントと違う・・・

カーナビに入力しておいたイベント会場の行先の後で
誰かがこの会場をカーナビに入力しており
義明は勘違いしてこの会場を選んで
そして向かってしまった。
そのことにはまだ気づいていないが
とにかく別の会場に来てしまったことは理解した。

「こ、この会場では・・・
ありませんでした・・・」

さらなる転落

バゴ!

義明は大きなバッグで麻美に思いきり殴られた。

「も、申し訳ございませんでした・・・」

義明は怯えながらその場に土下座する。

「立てよ」

「は、はい・・・」

ド!!

次はロングブーツを履いた足で蹴り飛ばされた。
思わず地面の草が口に入りそうになった。

「お前、クズだって知ってたけど
ほんとにどれだけクズなんだよ!」

また蹴られそうになり
思わず両手で顔を覆う義明。

「ふ~~」

麻美は公園の木でできたベンチに腰かけて
タバコを吸い始めた。

「お前はそこで正座!」

「はい」
言われるままにその場で正座する義明。
ズボンが土で汚れようがもう関係ない。
何を言われようと服従し媚びを売り
麻美に許しを請うだけだ。

「あの、全部僕が悪いんです
麻美さんは
何も悪くありません
僕の責任です・・・」

すると
麻美はゆっくりと立ち上がり
義明の蹴りやすい位置を確かめてから

「うぐっ!!」
思いきり蹴り飛ばした。

「当たり前だろ?!
私が何した?
私は何もしてないでしょ
あんたが悪いに決まってるじゃない
何私に恩着せようとしてるの?」

「も、申し訳ございません・・・」
何度も土下座する義明。

「どう責任取るつもり?」

義明が困惑していると
「今日の給料弁償しろよ」
麻美は恐ろしいことを言った。
「そ、それだけは・・・」

「グホ!」

義明は再び蹴られた。

「お前がしたことはそれくらい重い罪だってこと分かってる?
すみませんとか
土下座とか

そんなのだれでもできるよね?

それが誠意だって思ってる?

誠意って

痛みを伴うものじゃなきゃ信用してもらえないんだよ?
だってお前のせいで私は痛みを伴ったんだから
ねえ?
分かるでしょ?」

論理的にはめちゃくちゃだが
当惑した義明には
徐々に追い詰められていく感じがした。

もう駄目だ
麻美さんに償うためには
いう通りにしよう・・・

こんな事はさすがに許されることではない。
いくら義明がミスをしたとしても
麻美がやりすぎなのは明らかだ。

しかし

「え?!

ちょっと待って」

麻美はあることに気づいた。

「ちょっとお前・・・
そこでズボン脱いでみろよ」

「え?ズボン・・・ですか」

これには義明は冷や汗が流れた。
なぜなら義明はこんなにいたぶられているのに
ちん●を立たせてしまっていたからだ。
麻美のロングブーツや、むっちりとした太もも
ギャルっぽいファッションや
メイク、茶髪など

麻美の姿を直視しながらいじめられているうちに
義明は不覚にも立たせてしまっていたのである。
公園で麻美がタバコを吸い始めて、少し何もない時間があったが
その時に義明はいやらしいMの妄想をしてしまっていた。

そのせいでちん●は立ち
元に戻ってくれと思ってもなかなか萎えることもなく
その惨めな姿を麻美に気づかれてしまったのだ。

決してお金を払わされる惨めさに興奮して立たせたわけではないが
そう思われても仕方がない状況だ。

財布から持っているお金を麻美に渡している間も
すぐに立ったものが収まるわけでもなく
麻美はますます確信を強めていった。

しかしこちらから
「違うんです
立たせてしまったのは
お金を払わされて惨めさで感じてしまう変態マゾだからではなく
麻美さんのようなギャルっぽい人に
いじめられることがただ好きなだけです
いやらしい妄想をしてしまったからなんです」

と本当のことを言うわけにもいかない。

義明はうすうす気づいている人もいるんじゃないか
とは思っていた。
それは社長が誰かに言えばすぐに広まるだろうし
社長が言わなくても、これだけ会社の女性たちにゴミのように
扱われているのに、毎日出社して平気で頑張っているのだから
そう思われても仕方ない。

しかしこれは一大事だ。
いじめられて立たせてしまったことは
麻美に完全にばれてしまった。

麻美は現実を頭の中で整理しているようだったが
「あんた・・・
そういうことだったんだね・・・」
とだけ言われた。
それが逆に怖く感じた。

イベントについては
社長に連絡すると
別のスタッフを代わりに手配してくれたので
最悪の事態は回避できた。

義明は怒られっぱなしで
いつもにもましておどおどして
何度すいません、と言ったかわからない。

最後に麻美を最寄り駅まで車で送ると
バチ!!
重たいビンタを浴び
「これから二度と内容に気をつけろよ!」
と言われたので
「はい、本当に申し訳ございませんでした」
と麻美に詫びた。

少し麻美は微笑んだように見えたが
気のせいだったのかもしれない。

義明は日を追うごとに
惨めな存在へと転落していった。

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