現在は小説が中心となっております。

どS様の奴隷に立候補したら、想像以上に容赦なかった話 1ページ目

由香里という女性

雄二はアイスクリーム工場でアルバイトで働いていた。
ボロアパート暮らしでこのままじゃいけないと愚痴を言いながらも
生活を変えることができずに30歳を迎えた。
ここ数年はお金がないので好きな風俗にも行けていない。
性格は温厚でいい奴、なのだが女性にもてる感じは一切なかった。

そんな雄二が珍しく女性と会う約束をしていた。
しかしそれは彼氏彼女の出会いではない。
ご主人様と奴隷の出会いである。
女性の名は由香里と言った。

「ご主人様の幸せのために生きていける?」

「一緒に住んで奴隷としてお仕えすることができる?」

由香里はそんなメッセージを雄二に送っていた。
どうも由香里はかっこいい彼氏が欲しいとか
そういった願望はなく、自分の意のままに動く奴隷が欲しいようだ。

雄二はそこまで本気ではなかったが
そこそこM男だったことと
お金を払わなくても女性と遊べる
くらいの甘い考えで、由香里の要望に応じていた。

写真を交換したが由香里は結構美人だった。
黒髪のロングでとてもきれいな髪だ。
目鼻立ちはきりっとして気が強そうだが
M男としてはとても魅力的だった。

待ち合わせの公園のベンチで腰かけて待っていると
向こうから女性が近づいてきた。
「雄二君?」
「あ、はい雄二です」
雄二はあれ?っと思った。
写真の女性と似ているようで違うような気がする。
いや、やはり明らかに違う。

「由香里さんですか?」
と聞くと
「いえ、私は由香里様の奴隷の紗江です」
と答えた。

まさかの展開。
すでに由香里にM女性の奴隷がいるなんて一度も聞いていなかった。
雄二は心の準備が出来ていなかったので
ぎこちない会話が続いた。
「あ、紗江さん、僕も座っているので、そこに座って話しませんか?」
自分だけがベンチに腰かけていたので紗江にも座るように気遣った。
すると

「いや、由香里様が来るのに座って待つなんて失礼なことはできないので
私は立ってるんで
お気遣いなく・・・」
と言った。
どうやらかなり調教されているようだ。
雄二はリアルなSMの関係を目の当たりにして、緊張感が高まっていった。

10分ほどしてやっと由香里が現れた。
写真通りできつい印象だが美人で魅力的だった。
立って挨拶をしようとしたその時。

パシ!

なんと由香里が紗江をビンタした。
明らかにいたそうだが紗江は何も抵抗しない。
「どうしてこの奴隷候補が偉そうに腰かけてるの?
紗江、お前は注意しなかったの?」

「すいませんでした・・・」
紗江は目の前でいきなり土下座して由香里に詫びた。
他の人が見ているかもしれないのに、
気にする様子は一切なかった。

「あの、すいませんでした、僕が悪かったです。
紗江さんが悪いというより、僕が気が付かずに座ってしまって・・・」
アイスクリーム工場でもたまに失敗して怒られることが多いので
謝るのには慣れている。
雄二は由香里に頭を下げた。

「ふ~っ、もういいから。
ここじゃ目立つから
奥行こうか」

そう言って公園の奥へ進み、林の中の人気のない場所に移動した。
切り株のような椅子に腰かけた由香里。
「お前たちはそこで正座」
言われるままに2人は汚い地面に正座した。

そこで由香里と紗江の関係を聞いたが
それは想像を超えるものだった。

紗江は由香里より1つ年上の先輩で、高校の頃に
かわいいからと言って生意気だ、ということで
由香里をいじめた。

しかし、由香里に逆にボコられて立場は逆転
それからは奴隷のように扱われ
卒業後もいじめられた。
しかし信じられないが、いつしか紗江はM女になり
由香里に服従し、いじめられることに喜びを感じるようになり
根っからのどSの由香里も、そんな紗江をある意味大事にするようになり
今に至るということらしい。

由香里は美人なので男性からかなりモテたようだが
かなり裏切りにあったらしく
詳細は言わなかったが、
今では男性と普通に付き合いたいという気持ちもないようだ

その後は雄二のことをいろいろ質問された。
ぱっとしない自分自身のことを素直に打ち明けると
「お前、かなりクズなんだね」
由香里はバッサリと言い放った。
そして足を組みなおして
「じゃあ、私の奴隷になるための条件を言うね」
と言った。

「どんな時でも私の命令は絶対。
家の中でも、外でも私のやりたいようにやる。
気に入られなければ人前でも平気でビンタするし
土下座もさせる。
いやがることでもNOは許さない。
理不尽な命令でも頑張れること。
いずれは心身ともに私なしでは生きられないようにさせたい
それは大丈夫?」

さらっと言い放ったが
冷静に考えれば無茶苦茶な要求だ。
雄二はM男だが、リアルに奴隷になった経験はない。

無理です。

そう答えればすべてが終わったはずなのに
やはり雄二は本当のクズなのか
せっかくこんな出会いにこぎつけたのに
このままさよならしたくない
そんな気持ちに負けて

「は、はい・・・」
と答えていた。

「じゃあ今から●●のお水買ってきて
パシリに使ってあげる」

「え、あ、水ですか?」

パシ!

今度は雄二がビンタされた。
「水ですか?って何?買って来いって命令したんだけど」

雄二は由香里の気迫に負けて
「はい、今すぐ買ってきます」
といってコンビニを探して走っていった。

タイトルとURLをコピーしました