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キャバ嬢が別のキャバ嬢に服従する話 3ページ目

実力の差

「そんなことないよ~アハハ」
マユはあっという間に目の前の男性を虜にする。
見た目も声もしぐさもすべて
男性受けは圧倒的だった。

朋美はもともとやぼったいイメージで
しかも以前の経験ですっかり自信をなくしていたのもあり
暗い顔で座っていると
「なにお前、幽霊みたいじゃん」
と男性にからかわれた。

「ちょっとお前厳しくね?」
「な、なにがですか?」
「何がじゃね~よ、その見た目じゃあ
場違いだって言ってんだよ、気づけよバカ!」

男は時に容赦ない奴もいる。
目の前で何度も罵られるが、すっかり元気をなくした朋美は
いじめられっ子のようにおどおどとするだけだった。

「ほらっ、お客さんの前でもっと笑顔にしなきゃダメでしょ?」
「は、はい、すいません・・・」
しかしどうしても卑屈になってしまう朋美。

こんなことを繰り返すうちに
ますます朋美は自信を失い
ますますマユとの違いを思い知らされた。

・・・これなら思い切ってクビにしてもらったほうが
よっぽど楽だったのかもしれない。
いつの間にか朋美とマユの間には完全な上下関係が
出来上がっていた。

今日はお店でイベントがあり
マユはオフショルダーのメイド衣装に着替えた。
その姿に男性たちは気になって仕方がないようで
側で冷静に見ていた朋美は余計にそれを感じた。

同じドレス姿ではあるが、みすぼらしい朋美は
まるで付き人、召使、のようにも見えた。

しもべとして

「そうなんだ、借金取りが来るから当分家に帰れないんだ?
じゃあうちにおいでよ。
気にしなくていいから」

ベンツを運転するマユ。
夜景の光に照らされるマユの横顔は
お店とはうって変わってかっこよくも見える。

「いいんですか?マユさん」

もう朋美は自分よりはるか先輩に接するような気持に変わっていた。

「いいよ、そのかわり・・・」

マユは恐ろしいことを言い始めた。

「その代わり、うちでは私のしもべとして扱うけど
それでもいい?」

「え?し、しもべ・・・ですか?」

「そう、し・も・べ
私の命令には服従してもらう。
だって、ただで私の家で生活させてあげるんだよ?
私だってボランティアじゃないから
あんたにも何か役に立ってもらわないと
割に合わないわ」

朋美は内心おかしな女性だと思った。
しかしよく考えれば
確かに出会ったばかりの人間に対し
タダで泊まらせてもらえて
そこにいれば借金取りの心配もない。
しもべ、という言い方はきつい言い方だが
どうせ家事や雑用をさせられるのだろう
それくらいなら
今更嫌がることでもない
すでにマユは先輩の立場になっているのだから・・・

何度か悩みはしたが
ここで見放されたら
どうにもならないことを理解していた朋美は

「分かりました」
と返事をした。

徐々に変化する立場

「じゃあ今からマッサージお願い」

「はい、マユさん」

あれから一週間たった。
自分が明らかにしもべになっていると自覚した朋美。
はじめはマッサージしてくれる?という丁重なお願いだったのが
今では命令口調に代わっている。

これもマユの巧みな作戦だった。
ゆっくり時間をかけて
徐々に自分のペースに持っていく。

今では言われなくても
決まった流れでマユの足や体などをマッサージしていく。

朋美ももちろんしもべなんて嫌に決まっている。
心の底では
(住まわせてもらってるのだから、言いなりになって
服従する自分を演じてればいい)
と割り切って自分を納得させていた。

つまり偽の自分が服従しているだけ
という解釈だ。

そしてゆっくりと日々は流れていく・・・

プライドの崩壊

「何してるの!」
「す、すいませんでした・・・」

今日は朋美は粗相をしてしまった。
のどが渇いたからいつものジュース用意しなさいと言われ
作って持っていったら
ついベッドにこぼしてしまった。

朋美は十分すぎるくらい時間をかけてベッドをきれいにした。

そしてなんと朋美はベッドの隣の床にゆっくりと正座して
両手を前で揃え
「本当にすいませんでしたマユさん」
と言ってお詫びした。

粗相をしたときは正座してお詫びするように
教育されていたのだ。
マユは椅子に腰かけ朋美を見下ろしながら
「本当にクズね、お前は何回粗相をしたら気が済むの?」
「すいません・・・」
ねちねちと言葉で罵られる。

「お前、次から粗相をしたら土下座で謝りなさい
床に頭擦り付けて
申し訳ありませんでしたマユ様ってね」

「あ、は、はい・・・」
朋美はつい返事をしてしまった。

「呼んでみな?私のこと」

「は、はい・・・
マユ・・・様」

「何ためらってるの?ねえ?」
「すいません、分かりましたマユ様」

このように、ゆっくりと時間をかけて
マユは徐々に朋美を教育していったのだった。

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